インフルエンザで使用できる解熱剤

インフルエンザには、A型・B型・C型の3種類があります。

どの種類においても、発熱の症状を伴うことが多く、特にA型では38度以上の高熱になるケースが多いです。

一般的な風邪の症状でも、熱が出ると解熱剤を飲むことがありますが、インフルエンザでは解熱剤を使用しても良いのでしょうか?

もし服用するとしたら、どんなタイプの解熱剤なら良いのかをまとめました。

インフルエンザで熱が出たときに、そもそも解熱剤を使用して良いのか?

発熱作用は、体内に侵入してきたウイルスを退治しているサインになり、身体の自然な防衛反応です。

そのため、無理に解熱してしまうと免疫機能がうまく働かず、逆に症状が長引いてしまうことがあります。

ですから、本来であれば熱が出ても解熱剤は使用しない方が良いのです。

発熱する仕組みと、熱が上がったほうが良い理由

インフルエンザウイルスが体内に入ると、身体を守ろうとして「免疫活性食細胞」がウイルスを包み込み、撃退しようとします。

その際に「サイトカイン」という物質が生成されるのですが、別名で「内因性発熱物質」とも呼ばれています。

このサイトカインが脳に情報を伝えて、身体各部に体温を上げるようにという指令を出すのです。その結果、発熱が始まります。

何故、発熱させるのか?

発熱すると体内温度が上がり、ウイルス撃退に有利な状況を作り出せます。

ウイルスは低温の方が繁殖しやすい性質をもっていますので、熱により高温になることでウイルス増殖を抑制します。

さらに、高温時の方が免疫機能が高まりますので、ウイルスを退治しやすくなる作用もあります。

そのため、インフルエンザにかかった際、無理に熱を下げることは得策では無いのです。

解熱剤を使うかどうかの判断

かといって、インフルエンザは高熱が出やすく、うなされたり酷い苦痛を感じる際には、解熱剤を服用する方が良いです。

熱が40度を超えると、さすがに苦痛を感じ、さらに42度を超えると人は死に至ると言われています。理由としてタンパク質が凝固して固まり、生命を維持することができないためです。

(ちなみに、熱が40度を超えると男性の場合は無精子病になると言われていますが、これは間違いであり、おたふく風邪により睾丸炎になると無精子病になる可能性があります)

ですので、インフルエンザで解熱剤を使用するかどうかは、熱が38~39度前後になり、苦痛を感じて我慢できず、寝られないなどの症状になったかどうかで判断すると良いです。

逆に、発熱が軽く、そこまで苦にならない程度の場合には、解熱剤の使用は控えた方が良いです。

インフルエンザで使用しても良い解熱剤・ダメな解熱剤

一般的な風邪とは違って、インフルエンザで解熱剤を使用する際には、使用できる種類が決まっています。

特に子供の場合、使ってはいけない解熱剤(アスピリン系)を使用すると、稀ではありますが、『ライ症候群(諸臓器(特に肝臓)に脂肪沈着を伴う原因不明の急性脳症)』を引き起こすケースが報告されているためです。

ここでは、使用しても良い解熱剤とダメな解熱剤を紹介します。

使っても良い解熱剤1- アセトアミノフェン

アセトアミノフェン系の解熱剤は、インフルエンザの際に使用して大丈夫です。

病院で処方されている薬品名としては、カロナール、アルピニー座薬(子供用)、アンヒバ座薬(子供用)などがその系統になります。

特に「カロナール」は病院で処方される機会が多く、子供にも使用できる安全な薬として広く認識されています。

(座薬は、子供が錠剤をうまく服用できないなどの理由で、お尻(肛門)から注入するお薬です。直腸から直接吸収されるため、効きめが早いというメリットがあります)

また、市販薬である大人用の「タイレノール」は妊娠・授乳中でも使用できる安全性があり、子供向けの「小児用バファリン CII」は、危険とされるアスピリンは含まれていません。お子さんが高熱で苦しんでいる際には、こちらを使用可能です。

(小児用バファリン-CIIは、3才から15才未満の小児用・乳児用解熱鎮痛剤になります)

ノーシンピュア(小中学生用、7歳以上15歳未満)やノーシンホワイトジュニア(3歳以上15歳未満)も、同様にアセトアミノフェン系ですので、お子さんに使用できます

使っても良い解熱剤2- イブプロフェン

イブプロフェン系も、インフルエンザでの解熱に使用可能です。

市販薬品名としては、エスエス製薬から販売されている「イブ」シリーズになります。

また「バファリンルナ」はアセトアミノフェンとイブプロフェンの両配合となっていて、インフルエンザでの使用が可能です。

使用してはいけない解熱剤 - アスピリン

アスピリンは、ライ症候群(脳症)を引き起こす可能性があるため、インフルエンザで使用してはいけません(一般的な風邪の場合は服用可能です)。15歳以下の子供には特に使用禁止です。

PL顆粒、小児用PL顆粒、平成12年11月以前に発売されていた小児用バファリンが、アスピリン系にあたります。

市販薬では、頭痛薬として有名なバファリンAやバファリンプレミアム、歴史の長いケロリンもアスピリンを含んでいます

これらの薬は、インフルエンザの解熱剤として服用しないようにして下さい。

(バファリンは、商品によってアセトアミノフェン・イブプロフェン・アスピリン系とそれぞれにわかれるため、注意して下さい)

不安な際には、病院で医師に相談するか、薬局で薬剤師に相談するようにしましょう。

使用を控えたほうが良い解熱剤 - ロキソニン

ロキソニンは、解熱鎮痛剤として市販されていて、薬局やネット通販などでも購入でき、効果が高いと評判のお薬です。

インフルエンザの解熱剤として使用して良いかどうかですが、医学会でも賛否両論があり、実はまだその結論は出ていません。特に子供に対する安全性が保障されていません。

そのため、現在のところではロキソニンは使用しない方が無難です

抗インフルエンザ薬の服用を忘れずに

インフルエンザで病院を受診すると、リレンザやタミフルなどの抗インフルエンザ薬が処方されます。

これらの薬はウイルスの増殖を抑え、症状を軽くする効果があります。

熱を抑える効果もありますので、まずは抗インフルエンザ薬を服用し、それでも高熱が酷い場合にのみ解熱剤を利用するようにしましょう

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解熱剤のまとめ

インフルエンザにおける主な解熱剤の使用可否を、ひとめでわかるように表にまとめました。

先の説明のとおり、インフルエンザでは、極力、解熱剤や痛み止めは控えた方が良いですが、どうしても使用する必要がある際に、どの解熱剤を使用すれば良いか、参考にして下さい。

使用可能な解熱剤 - 大人用
主な処方薬品名 主な市販薬品名
  • カロナール
  • タイレノール
  • イブA錠、イブA錠EX
  • ノーシンホワイト
  • ナロンエース
  • バファリンルナ
  • 新セデス
使用可能な解熱剤 - 子供用
主な処方薬品名 主な市販薬品名
  • カロナール
  • アンヒバ座薬(乳児および小児)
  • アルピニー座薬(乳児および小児)
  • パラセタ座薬(乳児および小児)
  • 小児用バファリンCII(3~15歳未満)
  • ノーシンホワイトジュニア(3~15歳未満)
  • 小中学生用ノーシンピュア(7~15歳未満)
使用禁止の解熱剤
使用禁止 主な市販薬品名
アスピリン系の医薬品
  • バファリンA
  • バファリンプレミアム
  • ケロリン
使用を控えた方がよい解熱剤
使用を控える薬品名
ロキソニン
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