インフルエンザに効く漢方薬

最近、インフルエンザに漢方薬が効くというニュースが流れています。

漢方は中国に由来しており、日本に伝わってのち研究が進み、独自の発展を続けている医学です。その医学を元にして生薬と呼ばれる自然の材料を組み合わせて製薬したお薬が「漢方薬」になります。

漢方薬インフルエンザに効果があるのでしょうか?

また、漢方薬は種類が豊富ですが、どの薬を飲めば良いのでしょうか?

ここでは、インフルエンザに使える漢方薬と注意点をまとめました。

そもそも漢方薬とは

漢方は、中国古来の漢の国を期限とした医学です。

西洋医学では「こんな症状やこの病名にはこの薬」と言った考え方が基本となっていますが、一方の漢方は、人が本来もっている免疫力や治す力を高めて自然治癒力をあげることで、身体の不調な箇所を治し、体調をコントロールすることに主眼がおかれています。

その薬である漢方薬は、草木や天然物が主成分であることから、体に優しく副作用が少ないという特徴があります。

日本の医学界でも研究が進んでおり、病院で漢方薬が処方される機会が増えています。

漢方と蘭方

西洋医学は「蘭方」と呼ばれます。もともと江戸時代に、主に長崎のオランダ医師を介して伝えられた医学を言い表しており、そのため「蘭方」と名付けられました。

一方で中国医学のことを中医学と呼ぶのですが、日本に伝わってから「蘭方」と区別するために「漢方」と名付けられました。

漢方は日本独自の研究と進化を遂げた医学となっています。

漢方薬の成分=生薬と、そのメリット

漢方薬の原料を「生薬(しょうやく)」と言います

漢方薬のひとつとして有名なお薬に養命酒がありますが「養命酒には、ウコンやケイヒなど14種類の「生薬」が含まれています」という言葉は、多くの方が聞いたことがあるでしょう。

生薬として使用されるのは、天然に存在する薬効をもつ草木や動物の皮・骨、一部の鉱物です。

これらを組み合わせて漢方薬が精製されます。

そのため、一般的な西洋医療薬品よりも副作用が少ない点が大きなメリットです。(ただし、全くないわけではありません)

インフルエンザに漢方薬は効果がある?

インフルエンザを治すには、タミフルやリレンザなどの抗インフルエンザ薬が主流ですが、漢方薬の効果も認められていて使用するケースが増えてきています。

麻黄湯(まおうとう)の効果

インフルエンザにかかった患者に、漢方薬である「麻黄湯」を処方したところ、平熱に戻るまでに要した時間は21.4時間だったというデータがあります。

タミフルを処方した場合では20時間であり、タミフルと同程度の効果を発揮したという臨床結果になっています。

もちろん、まだまだデータ数が少ないため確実とは言い切れませんが、少なくとも麻黄湯はインフルエンザに効果があると言えますし、実際に病院においても使用することが承認されています。

インフルエンザに効果のある種類

漢方薬は種類も豊富であり、どれを選べば良いか迷うところです。ここではインフルエンザの症状にあわせて、適した漢方薬をご紹介します。

麻黄湯(まおうとう)

麻黄湯は4つの生薬(麻黄・桂枝・杏仁・甘草)を原料としています。

このうち、麻黄・桂枝には発汗作用があります。また、天草には咳を鎮める作用があります。

そのため、麻黄湯はインフルエンザ初期に悪寒・寒気がしたり発熱した際に、発汗作用を促すことで、熱を下げる効果があります

板藍根(ばんらんこん)

板藍根は、アブラナ科の一種であるホソバタイセイという植物の根の部分を指します。

解熱作用やのどの痛みなどを抑えてくれ、抗ウイルス効果もあります。

中国では風邪の引き始めに飲んだり、インフルエンザの予防として「うがい」する時に板藍根を使用する習慣があります

葛根湯(かっこんとう)

葛根湯も漢方薬です。

桂枝湯(けいしとう)という発汗薬に、麻黄生薬を付加することでさらにその効果を強めたのが葛根湯です。

風のひき始めには葛根湯」という有名なフレーズのとおり、風邪の初期症状である寒気・発熱・頭痛・鼻水などの症状に効果があります。ただし咳や喉の痛みには効果はあまりありません。

柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)

先ほど書いたように、桂枝湯(けいしとう)は発汗作用があり5つの生薬(桂皮(ケイヒ)・芍薬(シャクヤク)・生姜(ショウキョウ)・大棗(タイソウ)・甘草(カンゾウ) )から製薬されています。

柴胡桂枝湯は、さらに4つの生薬(柴胡(サイコ)・黄芩(オウゴン)・半夏(ハンゲ)・人参(ニンジン))を足しています。

風邪やインフルエンザをこじらせてなかなか治らない際に、発汗や寒気・頭痛などの症状があり、内臓系に生じた炎症(胃痛や腹痛など)を軽減するために使用される漢方薬です。

桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)

こちらも桂枝湯(けいしとう)に、蒼朮(ソウジュツ)・附子(ブシ)という2つの生薬を足して製薬されています。

桂枝加朮附湯は、関節痛や神経痛に効く漢方薬です。また、体を温める作用もあります

インフルエンザ、特にB型では関節痛が強く発症する場合があり、桂枝加朮附湯を使用することがあります。

漢方薬の服用に関する注意点

そもそも漢方薬は「インフルエンザにかかったから飲む」というものではありません。

漢方薬の本来の目的は『免疫力を引き上げることで予防し、体調を整えることで病気を治す』という類のお薬です

つまり、「インフルエンザにかかったんだから、有名な麻黄湯を飲もう」などという考え方は間違いということです。

その症状にあった漢方薬を服用することで効果を発揮しますので、必ず医師や薬剤師に相談し、状況にあった薬を服用するようにしましょう。

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