イナビル

イナビルとは

イナビルとは、2010年10月にインフルエンザの治療薬として、第一三共株式会社から販売が開始され、病院処方がおこなわれています。

リレンザと同じく吸引するタイプのお薬であり、リレンザは1日2回5日間続けて吸引する必要がありますが、イナビルは1回の吸引だけで済むという特徴があります。

インフルエンザA型とB型に効果があります。(C型には効果はありません)

インフルエンザ発症から48時間以内に吸引することで、ウイルスの増殖を抑えて症状の悪化を防ぎます。また、リレンザやタミフルよりも熱を下げるまでの期間が短くて済むというメリットもあります。

副作用は少ないですが、特にお子さんに使用する場合には脳症(けいれんや異常行動など)の副作用の可能性を完全には否定できませんので、イナビルを吸引した後はインフルエンザが治るまで、なるべく目を離さないように看病するようにしてください。

~「イナビル」という名前の由来~

1回の吸引で済むことから「1」という数値を「I」に見立て、インフルエンザのノイラミニダーゼ(NA)を阻害することで効果を発揮することから「NA」、そしてウイルスを表す「virus」。この3語をあわせて「イナビル(inavir)」と名付けられました。

イナビルのメリット

~ 1回の吸引で済む気軽さ ~

一番の特徴は「1回の吸引だけで済む」ことです。

他のインフルエンザ治療薬であるタミフルは、1日2回5日間継続して錠剤を服用する必要があります。

また、イナビルと同様な吸引薬のひとつであるリレンザも、1日2回5日間続けて吸引する必要があります。

ラピアクタは点滴薬ですので病院に行く必要があります。

イナビルはたった1回の吸引だけでインフルエンザを治療する効果があり、その気軽さと利便性の良さから人気のインフルエンザ治療薬となっています。

~ 飲み忘れ・吸引し忘れを防げるメリット ~

イナビルは1回の吸引で済むため、吸引し忘れということがありません。通常は病院でインフルエンザと診断を受けると処方箋薬局で「イナビル」を処方されて、その場で吸引するケースが多いです。

その場で吸引する理由は、少しでも早く吸引することで、ウイルスの増殖を早期に抑えて、症状の悪化を防ぐためです。

そのため、吸引し忘れるということがありえないのです。

リレンザやタミフルは、1日2回飲む(あるいは吸引する)必要があるため、飲み忘れてしまったという方もいます。

飲み忘れを防げるというのは、単回投与の薬のメリットと言えるでしょう。

~ 熱を下げる効果が高い ~

インフルエンザは発熱を伴うことが多く、特にA型では39度以上の高熱になることもあります。

イナビルは解熱する作用が高く、2~4日で平熱に戻ります。一方のタミフルでは平均して3~5日と言われていて、約1日ほど期間を短くできる計算です。

ただし、人によっては「イナビルで熱が下がらなかった」という口コミや体験談もあり、どうしても個人差はあります。

あくまで「解熱の効果が高い場合がある」という認識に留めておいたほうが良いでしょう。

イナビルのデメリット

~ 1回の吸引で失敗したら ~

1回の吸引だけで済むことは楽であるというメリットがある一方で、逆にこの「1回のみ」というのがデメリットにもなります。

イナビルはパウダー状であるため、吸引した際に「本当に吸えたのか?これで大丈夫なのか?」と不安になります。特に子供の場合は上手に吸引できていない場合もありえます。

しかし、1回だけの吸引のため、もし上手に正しく吸引できていなかったとしても、翌日にやり直しができないのです。

逆にリレンザは1日2回吸引することが面倒とも受け取れますが、1回分を上手に吸引できていなかったとしても、12時間後にはもう1回吸引できるという安心感があります。

~ 副作用が出た場合への不安 ~

イナビルは副作用が少ないと言われている薬です。ただ、どんな医薬品でも絶対に出ないとは言い切れないものです。

特に子供の場合には、イナビルやリレンザ・タミフルなどの抗インフルエンザ薬による脳症の可能性はゼロではありません。

イナビルの場合、1回のみの吸引で治療が完了してしまうため、もしも副作用が出たら、薬剤を体内から取り除くことができないというデメリットが生まれます。

リレンザやタミフルの場合には、体にあわない、あるいは異常を感じた時点で投薬を中止することができるというメリットがあります。

1回の吸引で済むということは、メリットでありデメリットにもなるという点は、頭に入れておき、お医者さんの指導にしっかりと従うようにましょう。

~ 欧米での臨床試験では効果がなかった ~

欧米諸国でのイナビルの販売に向けて臨床試験がおこなわれたのですが、「効果の全くない偽薬(プラセボ)を投与したインフルエンザ患者と、イナビルを投与した患者との比較で、治るまでの時間差がなかった」という結果が出ました。

日本人における臨床試験では効果が認められてはいるのですが、イナビルは新しい薬であり、タミフルやリレンザと比較しても実績がまだまだ少ないことから「効果があった」という人もいれば、一方で「効果がなかった」という意見や口コミが見受けられるのも実情です。

効果・効能について

イナビルは、毎年主に冬場に流行するインフルエンザA型・B型の両方に効果があります。

治療薬としてだけでなく、インフルエンザにかからないよう予防薬としても使用されています。

(インフルエンザにはC型もありますが、こちらは流行しないタイプであり、イナビルはC型には効果を有していません)

インフルエンザを治す!

イナビルは、含有されている「ラニナミビル」という成分が、インフルエンザウイルスのノイラミニダーゼの活動を阻害し、ウイルスの繁殖を抑えて症状の悪化を防ぐ効果があります。

個人差はありますが、熱を下げる効果も高いと言われていて、タミフルよりも1日ほど治りが早くなる可能性があります。

インフルエンザウイルスは増殖速度が早く1時間で1個のウイルスが100万個にまで膨れ上がります。そのため、インフルエンザを発症したら48時間以内、なるべく早くイナビルを吸引することが大事です。

インフルエンザを予防できる!

イナビルは、インフルエンザを予防する効果もあります。

1回の吸引で10日間ほど予防効果が続くと言われています。

ただし、病院で予防薬として処方してもらうためには、原則としてインフルエンザに感染した患者さんに接したり、あるいは一緒に生活している方がかかってしまった場合などの条件があります。

また、予防薬は治療目的ではないため、保険がきかずに10割負担となりますので、注意してください。

正しい使い方

イナビルは吸引するタイプの薬であり、飲み込む錠剤ではありません。

使い方・吸い込み方がわからないという方がいますので、わかりやすく写真付きでまとめました。

正しい使い方を詳しく

用法・用量と注意する点

10歳以上の小児または成人の方と、10歳未満のお子さんの場合で吸入する量が違います。

また、治療で使用か予防で使用するのかでも吸入回数が変わりますので注意が必要です。

インフルエンザ発症から48時間以内、なるべく早期に吸入するということが一番大切です。

治療で吸引する場合

10歳以上の方(大人も含む)は、イナビル2本を吸引します。(成分のラニナミビルとして40mg)

10歳未満のお子さんは、イナビル1本だけを吸引します。(成分のラニナミビルとして20mg)

予防薬として使用する場合

インフルエンザの予防にイナビルを使用する場合には、成人および10歳以上に限定されています。

吸引する回数としては、1日1回1本を吸引して、2日間続けます。服用間隔としては約24時間前後あけると良いでしょう。

~ イナビルは何歳から使用して良い? ~

治療で使用する際には、特に年齢の制限はありません。ただし、1回の吸引ですので、うまく吸引できることが条件となっています。

(臨床試験は3歳以上として、おこなわれています)

乳児や幼児の場合には、点滴薬であるラピアクタが病院で選択される場合もあります。

妊婦(妊娠中の女性)の投与は?

イナビルは副作用が少ないことで知られていますが、妊婦への投薬は完全な安全性が確率されているわけではありません。

ただインフルエンザが長引いて悪化することで、母体や胎児に悪影響を及ぼす可能性がありますので、その際は状況を見て医師がイナビルを投薬するかどうか判断します。

授乳中にイナビルを使用して良いの?

赤ちゃんに授乳中にインフルエンザに感染してしまった場合、イナビルを使用して良いかどうかですが、母乳に薬剤が混じることが確認されています。

微量であるため影響は少ないと言われていますが、安全性が確率されているわけではありませんので、授乳は避けた方が良いでしょう。

授乳再開はいつから?

イナビルの体内血中濃度は5日程度続きます。そのため、イナビル吸入後は、安全を期して5~7日ほど空けてから授乳を再開してください。

薬価代はどれぐらい?

イナビル1本の値段は「2140円」です。

10歳以上の方は2本使用しますので、2倍の「4280円」が薬価代としてかかります。

その他に診察料や検査料などがかかり、病院によって費用は変わりますが、およそ「2000~5000円」ほど別途必要になります。

副作用は少ないが、脳症には注意

イナビルは副作用の少ないと言われているお薬ですが、稀に下痢や吐き気・腸炎などの副作用が出ることがあります。

軽度な症状であり、出たとしても時間の経過とともに治まります。

もし酷いようであれば、医師に相談するようにしてください。

イナビルによる脳症の可能性

イナビルは、リレンザやタミフルなどと同じ作用機序の抗インフルエンザ薬であるため、脳症が起こる可能性は否定できません。

脳症になる確率は低いですので心配し過ぎる必要はありませんが、特にお子さんにイナビルを投与する場合には、目を離さないようしっかりと看病することが大切です。

もし、けいれんや異常行動など脳症の症状が見られた場合には、すぐに病院で医師に相談してください。

入手方法~個人輸入や通販はできません~

イナビルは処方箋医薬品であり、病院で医師の判断のもと、処方されるお薬になります。

そのため、ネットの通販・個人輸入などでは購入することはできません。

© インフルエンザ All rights reserved.