ラピアクタはインフルエンザ点滴薬です

ラピアクタとは

ラピアクタとは、2010年1月13日にインフルエンザ治療薬として承認された、塩野義製薬社が販売をおこなっている点滴タイプのお薬です。

インフルエンザの薬として、有名なタミフルは口から服用する経口錠剤、リレンザは口から吸い込む吸入薬がありますが、このラピアクタは病院で点滴をおこなうことでインフルエンザを治す第3の治療薬であり、A型・B型の両方に効果があります。

インフルエンザに感染した小さいお子さんは、うまく吸引できないことでリレンザを使用できなかったり、体調が悪く嘔吐してしまうなどの理由でタミフルを服用できない場合があります。

ラピアクタは点滴ですので、注射で薬剤を体内に15~30分ほど投与するだけで治療できます。

また、別の特徴として、タミフルよりも熱が下がるまでの時間が短いという点が挙げられます。

~ラピアクタの承認が下りた理由~

2009年に新型のインフルエンザA型である「A-h1n1(2009)」が発生して大流行しました。タミフルやリレンザが処方されていたのですが、このラピアクタも効果を有していたことから、翌年にはすぐに承認が下りて、新型インフルエンザへの対策という意味を含めて病院での点滴が始まりました。

ラピアクタの特徴

一番の特徴は「点滴」で薬剤を体内に取り込む点です。

1回15分ほど点滴をするだけで、タミフル約5日分の効果を有しています

インフルエンザの症状が軽度な場合は1回の点滴だけで済み、重度な場合には医師が適宜、増量して投与を行います。

また、タミフルよりも熱が下がるのが早いというのもラピアクタのメリットであり、研究結果として報告されています。

~ デメリットについて ~

ただし、デメリットもあります。1回の投与のみで効果を発揮するのは良いのですが、もし副作用が発生してしまったとしても、すでに投薬が完了しているため、抜き出すことができません。

単回投与のため「楽」であるというメリットがある反面、もし副作用が出ても薬をやめることができないという逆のデメリットが生まれているのです。

そのため、病院でインフルエンザの治療においてラピアクタを使用するのが適切かどうか、症状や状況を見つつ医師に判断を委ねることになります。

これは1回の吸引で済む「イナビル」にも同じことが言えます。

一方のリレンザタミフルは、毎日の吸引や服用が必要であるため、逆に薬が体にあわないと感じたら、その日からやめることができるメリットがあります。

効果・効能をわかりやすく

ラピアクタは、インフルエンザA型・B型のいづれにも効果があります。

インフルエンザには3種類あり、一般的に流行するのはA型・B型です。もうひとつのC型にはラピアクタは効き目はありません。

ウイルスの増殖を抑制する

インフルエンザは、感染してからのウイルスの増殖速度が早く、1時間で100万個以上に膨れ上がり、ウイルスが増えれば増えるほど、症状が悪化していきます。

ラピアクタの成分「ペラミビル水和物」は、このウイルスの増殖を抑えることで、症状の悪化を防ぎます。

そのため、インフルエンザを発症してから48時間以内にラピアクタを投与することが必要です。

ラピアクタは医師による点滴が必要な薬剤

ラピアクタは注射による点滴ですので、病院に行く必要があります。

どうしても動けない場合には、医師や看護師さんが自宅に来て点滴してくれるという方法もあります。

用法・用量について

1回分の点滴量は300mgで、15分以上かけて注射を通して体内に投与します。

もしインフルエンザ症状が重度な場合や合併症の場合には、600mgまで増量します。これはもちろん医師の判断によります。また、状況を見ながら連日にわたって点滴をおこなうこともあります。

小児にも使用できます

小児の場合には、体重によって用量が変わり、1日1回10mg/kgとして計算して投与し、症状によって最大で600mgまで増量されます。

妊婦(妊娠中の女性)の投与は?

妊婦の方に対する安全性はまだ確立されていないため、通常はリレンザやタミフルが治療薬として選択されます。

授乳中にラピアクタを使用したら?赤ちゃんに授乳して良いの?

母乳にラピアクタの成分が含まれることが確認されています。

そのため、ラピアクタでインフルエンザの治療をおこなっている場合には、授乳は避けるようにしてください。

薬代はどれくらい?

ラピアクタ1回の点滴料としての薬価は約6200円です。

このほかに診察料や検査料などが別途必要になります。

副作用について

ラピアクタによる副作用は少ないとされています。

成人でも小児でも、一番多い副作用は下痢であり、その次に多いのが好中球の減少です。好中球とは白血球のひとつであり、白血球の減少により細菌や真菌感染のリスクが増加します。

そのため、ラピアクタ投与中は好中球減少が生じていないかを医師が観察します。

また、小児に見られる副作用のひとつとして嘔吐もあります。

ラピアクタによる脳症

タミフルで話題となった脳症の副作用問題。ラピアクタではまだその症例は確認されていませんが、タミフルやリレンザと同類の抗インフルエンザ治療薬に属しています。そのため、ラピアクタ投与による脳症の可能性は完全には否定できませんので、特に小学生以下の子供に点滴する際には、投与後の2~3日は十分に注意して、お子さんに異常行動がないか観察・看病する必要があります。

注意点や守るべきこと

ラピアクタは腎排泄タイプの薬ですので、腎臓に障害のある方への投与は注意を要します。そのためラピアクタではなくリレンザやタミフルなど他の薬剤を使用するかどうかは、その状況・症状に応じて医師が判断します。

入手方法は?

ラピアクタは点滴薬であり、個人が使用することはできないため、通販・個人輸入で入手することはできません。

インフルエンザに感染した際に、病院で医師の指導のもと、点滴をおこなうことになります。

© インフルエンザ All rights reserved.